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2025/08/11(月) 23:11 感情をOS化する挑戦 126 部
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こんにちは。
てつです。


今回は、私がツールの開発中に挑んだ
「感情のOS化」について話していきます。


「美容師って、センスの仕事でしょ?」

お客様や友人から、そう言われることは珍しくありません。


けど、そのたびに胸の奥で、モヤっとした感覚が残ります。
“センス”って、何だろう。
経験や勘、好みの積み重ねのこと?
それとも、生まれつき持ってる特別な才能?


現場に立つと分かるのですが、センスだけではどうにもならない瞬間が必ずやってきます。


例えば、カウンセリングで
「どうしますか?」と聞くと、お客様はスマホで画像を見せながら、
「こういう雰囲気にしたいんです」と言う。
でも、その画像のモデルさんは髪質も骨格も、明らかにお客様とは違う。


このとき、頭の中で“似合う条件”を整理しながらも、同時に「本人の中にある理想」をどう崩さずに提案するかという難題が立ち上がります。


ここでセンスだけを頼りにすると、たまにうまくいくけれど、失敗もある。
つまり、感覚だけでは不安定なんです。


もう随分昔の話ですが、忘れられない失敗談があります。
30代前半の女性で、「ずっとロングだったけど、短くしてみたい」という相談でした。


骨格も首のラインもきれいで、ショートヘアが絶対似合うと確信。
カウンセリングでも、「短めで今っぽく、軽やかに」という言葉をいただき、頭の中でイメージは固まりました。


カットが進むにつれて、自分でも「これはいい」と手応えがあった。
仕上がりのシルエットもきれいに収まり、色味との相性も抜群。
鏡に映った姿は、まさに“似合っている”状態でした。


でも…
鏡を見たお客様は、微笑みながらも目が泳いでいました。
「どうですか?」と聞くと、一拍置いて
「…この感じじゃなかったかも」と。


あの瞬間、ゾワッと冷える感覚がありました。
技術的には正解だったはず。でも、お客様の中では“不正解”だった。


後から話を聞くと、その方は「軽やか」よりも「安心できる」雰囲気を求めていたそうです。
言葉の解釈やイメージのすり合わせが足りなかった。
それが、このズレを生んだ原因でした。


この経験から、私はある結論にたどり着きました。

「似合う」だけでは足りない

お客様が求めているのは、鏡に映る“似合っている自分”だけじゃない。
そこに「落ち着く」「安心する」「自分らしい」という感情がセットでなければ、本当の満足にはならないんです。


技術的な似合わせは、髪質・骨格・肌色などのデータから導けます。
でも、感情的な似合わせは、もっと曖昧で人それぞれ。
この“曖昧”を感覚任せにしている限り、同じズレは何度も起きると気づきました。


ただ昔は、この感情のパターンを数百人単位で整理するなんて不可能だと思ってたんです。
カウンセリングや施術の中で得られる情報は多くても、頭の中で整理しきれない。
ましてや、細かな条件や反応の違いを記録して比較するなんて、手作業では限界がありました。


そんな中で誕生した「AI」
驚異的な進化を遂げ、膨大なデータを一瞬で分析できる環境が整った。
このとき初めて、「感情を条件化して、OSとして動かせるかもしれない」という挑戦が現実的になったんです。


AIは、髪型・骨格・髪質・表情の変化などの物理的なデータはもちろん、
言葉の波長や声のトーンといった細かな反応まで記録し、パターン化できます。
それらをもとに、“その人らしさ”を損なわずに似合わせる条件を導き出せる。


私はこの流れを「感情OS化」と呼んでいます。
センスという曖昧なものを、AIと美容師の目で再現性のある“手順”に変える挑戦です。


感情OS化は、AIと美容師、それぞれの得意分野を組み合わせて初めて機能します。


AIは、まず膨大なデータから「物理的な似合わせ条件」を瞬時に導き出します。
たとえば、顔の形・パーツの配置・髪質・毛量・生えグセまで細かく分析し、
そこから似合う長さやシルエット、ボリュームの位置などの基礎設計をつくる。


そこに美容師の経験が加わります。
AIが提案した案を見て、「この人は朝のセット時間が短いほうがいいな」「この質感なら服装との相性も良くなる」など、生活スタイルや人柄を踏まえて調整するんです。

そして今は、まだAIにお客様の表情を直接分析させることはしていません。
代わりに、カウンセリングで交わす言葉や会話の流れから感情を読み取ります。


たとえば、

・「あ、いいかも」と口調が柔らかくなる瞬間

・具体的なヘアスタイル名を挙げたときに、声が少し弾む

・「朝は時間ないんです」と言いながら笑う、その温度感


こうした言葉のトーンや選び方を、感情OSに反映します。
次の提案では、その反応を踏まえてAIが条件を再計算。
こうして、提案の精度が一段ずつ上がっていきます。


この仕組みがあると、例えば

・朝5分で整うショートを望む人には、無理なく続けられる形を提案

・髪を下ろすと落ち着くタイプの人には、日常で自然に過ごせる長さと段差を調整

・イベントで映えたい人には、アレンジ映えするシルエットを優先


こんなふうに、その人にとって「似合う」だけじゃなく「自分らしくいられる」髪型が最初から形になります。


つまり、感情OS化は、AIがデータで“土台”を作り、美容師が“魂”を入れる作業です。
この両輪がそろうことで、ただの似合わせから一歩進んだ“感情まで似合わせる提案”が可能になるんです。


感性だけで走ってきた時期もありました。
正直、それでうまくいくこともあるし、むしろ感覚が冴えている瞬間は気持ちいい。
でも、そのやり方だけでは救えない人がいることも知っています。


だから今は、感覚を信じながらも、言葉と構造で裏付けを取るようにしています。
AIが導き出す条件と、美容師の目で拾った感情。
この両方がそろったとき、お客様の「これだ」という顔は想像以上に喜ばしい表情になるはずです。


もしあなたが今の髪型を選んだ理由が「なんとなく」や「いつもと同じ」だったなら、
その“なんとなく”は、もしかしたら分解できるかもしれません。


そして、その奥にまだ見ぬ「これだ」の瞬間が眠っているかもしれません。


あなたにとっての「似合う」とは何ですか?
そして「落ち着く髪型」とは、どんな形ですか?
よかったら考えてみてくださいね(^^)


それでは、また!


てつ



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